投資信託の基礎2 - 投資信託の種類
アクティブファンドとは?
投資信託には、日経平均株価やTOPIXなどの市場平均(インデックス)と同じような動きを目指すインデックスファンドとは別に、アクティブファンドがあります。
アクティブファンドはさまざまな運用方針に沿い、ファンドマネージャーの指揮により市場の平均以上の利益を出そうとするものです。
たとえば、これから成長(グロース)が見込める銘柄に投資する「グロースファンド」、企業の指標と株価を比較し、割安(バリュー)と判断される銘柄に投資する「バリューファンド」、特定の業種(セクター)の銘柄を集めたファンド「セクターファンド」などがアクティブファンドとして挙げられます。
それでは、アクティブファンドの特徴をチェックしていきます。
インデックスファンドに比べてコストが高い
運用対象 | ファンド名 | 信託報酬※ |
---|---|---|
国内株式インデックス | ニッセイ日経225インデックスファンド | 0.15% |
国内株式アクティブ | ひふみ投信 | 1.07% |
外国株式インデックス | ニッセイ外国株式インデックス | 0.10% |
外国株式アクティブ | 朝日Nvestグローバルバリュー株オープン | 1.98% |
※小数点第3位四捨五入
上の表は、インデックスファンドとアクティブファンドの手数料を比較した例です。インデックスファンドに比べて、アクティブファンドの信託報酬が高いことが分かります。
日経新聞社の記事「インデックス対アクティブ 投信はどっちを選ぶ マネーの常識・非常識」によると、日経平均・TOPIXに連動するインデックスファンドの信託報酬の平均は0.7%、アクティブ型の平均は1.6%とありました。
実は、アクティブファンドはインデックスファンドと違い、ファンドに組み入れる銘柄を調査した上で作られます。その分コストが上乗せされるのです。また、収益を上げるために多く売買を繰り返すファンドは、売買手数料が運用コストに上乗せされます。さらに、販売手数料(購入時手数料)もインデックスファンドに比べると高い傾向があります。
低コストなアクティブファンドも登場しています
先にアクティブファンドは、「インデックスファンドに比べてコストが高い」と書きましたが、最近は低コストなアクティブファンドが登場しています。
インデックスファンドシリーズでも、特に低コストにこだわった、たわらノーロードシリーズには、たわらノーロードplusという低コスト型のアクティブファンドが登場しました。その他、ひとくふうシリーズという、インデックスファンド並の信託報酬を実現した投資信託もあります。
シリーズ名 | 本数 | 信託報酬 | 特徴 |
---|---|---|---|
たわらノーロードplus | 2本 | 0.77~0.99% | 国内株式・新興国株式に投資できます。 |
ひとくふうシリーズ | 5本 | 0.27~1.23% | 国内株式・先進国株式・新興国株式・外国債券・先進国リート型に投資できます。 |
iTrust(アイトラスト) | 11本 | 0.97~1.49% | 国内株式・世界株式の商品と合わせて、「ロボ」、「バイオ」といった特定分野の企業に投資できます。 |
アクティブファンドは、必ずインデックスを上回る運用結果を出すわけではない
投資信託には、運用を担当する「ファンドマネージャー」がいます。特にアクティブファンドの運用はマネージャーの腕が結果を左右します。マネージャーは投資のプロではありますが、運用が上手くいくこともあれば、失敗もあります。アクティブファンドは、インデックスファンドよりも必ずしも有利というワケではないのです。
インデックスファンドよりもコストがかかるものですから、投資信託説明書(目論見書)などを事前にチェックし、どのような方針でファンドが運用されるのかを確認し、納得のできるものに投資したいものです。
独自の運用方針で人気を集める「ひふみ投信」
主に国内株式を運用し、独自の運用方針で人気を集めるアクティブファンドの1つに、ひふみ投信があります。ひふみ投信は「守りながらふやす」の方針をもとに、成長が期待される企業・株価水準が割安な企業に投資をしています。
アクティブファンドの中でも販売手数料無料・信託報酬1.07%と低いコストでの運用を実現しています。また、ファンドマネージャー藤野英人氏によるひふみ投信セミナーなどの活動もあり、個人投資家の注目を集めています。また、優れた実績をあげる投資信託に与えられる「R&Iファンド大賞」の最優秀ファンド賞を3年連続受賞するなどの実績を持ち合わせています。