2016年の投資信託に関連するニュースを振り返ります
2016年、投資信託に関してさまざまなニュースが飛び交いました。今回は投資信託に関連するニュースを振り返ってみたいと思います。
NISAの変化が大きかった2016年
2016年は、NISAの変化が大きかった1年でした。通常、投資によって生まれた利益は、約20%の税金がかかります。しかしNISAは、一定の投資額までなら、利益にかかる税金が非課税です。当初、年間に投資できる上限額は100万円でしたが、2016年より120万円に引き上げられました。
また、年末に決まった税制改正大綱(翌年以降の税に関する制度の改正案)では、2018年より積み立てNISAが始まることが決定しました。積立NISAでは年間に投資できる上限額は40万円と減額されますが、運用できる期間が最長20年に設定されています。
ラップサービスの低コスト化とロボアドバイザーの登場
ラップサービスは、資産運用をすべておまかせできるサービスです。かつてのラップサービスは初期投資額が大きく(数百万~数千万円)、運用にかかる手数料も1.5%~2%ほどかかるため、ラップサービスは『富裕層向けサービス』でした。
そこに風穴を開けたのがネット証券です。従来ラップサービスは人手をかけ、投資に関するアドバイスをしていました。そこに、ロボアドバイザー(IT技術を使った金融サービス「フィンテック」の1つ)を導入することで、人手をかけず、手軽に投資の提案・アドバイスを受けられるようになりました。
また、ネット証券のラップサービスでは、運用対象となる投資信託を運用コストが低いものに限定することで、トータルでかかる費用を年1%程度まで下げることを実現しています。現在大手ネット証券では、楽天証券・マネックス証券がラップサービスを導入しています。
また、ロボアドバイザーを利用し、自分にあった投資信託を無料で提案してくれるサービスも各社から出てきました。松井証券のロボアドバイザー『投信工房』は、ラップサービスのように運用をすべておまかせはできませんが、ラップサービスに勝るとも劣らないサービスを、非常に低いコストで提供しています。
低コストで運用できる投資信託の戦国時代
2015年の末、三井住友が確定拠出年金専用の商品を一般向けに販売開始したあたりから、投資信託の手数料引き下げ合戦が始まったと思います。2015年から2016年にかけて、たわらノーロードが業界最安水準の手数料の商品を出してきたのも印象的でした。
たわらノーロードは当初「日経225」「先進国株式」「先進国リート」「新興国株式」の4本だけ投資信託の設定をしていましたが、その後も低コストな商品をぞくぞくと追加し、運用開始からおよそ1年で19本が設定されています。
また、インデックスファンドシリーズの中でも、多くの資金を集めるeMAXISは、純資産総額が一定額以上の部分の信託報酬の引き下げを実施する受益者還元型信託報酬の導入を発表しました。その他には新たなインデックスファンドシリーズであるiFreeの登場や、ニッセイ<購入・換金手数料なし>シリーズの信託報酬の引き下げ・・・など、各社の手数料競争が激しい1年であったように思います。
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この記事の執筆者
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