ロボアドバイザー徹底比較【運用実績は?最強?やめとけって本当?】
ロボアドバイザーは、AI(人工知能)を活用して、資産運用のアドバイスなどを行う金融サービスです。「ロボアドなんて、やめとけ。おすすめしない。」という意見もあります。
このページでは、ロボアドバイザーについて「運用実績ランキング」、「手数料・NISAの比較」など解説しています。
このページのもくじ
ロボアドバイザーとは【やめとけ?おすすめしない?】
ロボアドバイザーとは、AIを活用して、資産運用のアドバイスなどを行う金融サービスのことです。投資に関する質問に答えることで、運用ニーズに適した資産配分の提案などを受けられます。
ロボアドバイザーには、「アドバイス型」と「投資一任型」があります。
アドバイス型
資産配分などの助言だけが行われるタイプです。
投資一任型
配分の提案だけでなく実際の運用まですべておまかせできるタイプです。
アドバイス型は、無料で提供されている場合がほとんどです。しかし、投資一任型には、手数料がかかります。コストは確実にリターンにマイナスの影響を与えることになるため、「ロボアドなんて、やめとけ。おすすめしない。」という意見があります。
投資一任型のロボアドバイザーを利用する場合は、手数料に見合う運用実績が期待できるサービスなのか十分検討することをおすすめします。
運用実績ランキング【最強!?】
「最強のロボアドはどれなの?」と気になる人は多くいらっしゃるかと思います。以下の表は、2023年4月21日に金融庁が公表したロボアドバイザーの運用実績ランキングです。2022年末時点の過去3年パフォーマンスです。
<ロボアドバイザーの運用実績ランキング>
(タブで切り替えられます)
ロボアド名 | コース | 年率 リターン |
シャープ レシオ |
---|---|---|---|
ROBOPRO | - | 10.95% | 0.851 |
ウェルスナビ | リスク許容度5 | 9.73% | 0.616 |
ウェルスナビ | リスク許容度4 | 9.52% | 0.663 |
ウェルスナビ | リスク許容度3 | 8.47% | 0.685 |
ウェルスナビ | リスク許容度2 | 7.66% | 0.759 |
ウェルスナビ | リスク許容度1 | 6.63% | 0.817 |
THEO | リスク228番目 | 6.06% | 0.341 |
THEO | リスク172番目 | 5.40% | 0.395 |
楽ラップ | かなり積極型 | 4.97% | 0.347 |
THEO | リスク115番目 | 4.76% | 0.408 |
ロボアド名 | コース | 年率 リターン |
シャープ レシオ |
THEO | リスク58番目 | 4.53% | 0.439 |
楽ラップ | 積極型 | 3.85% | 0.310 |
楽ラップ | DRC かなり積極型 |
3.37% | 0.252 |
THEO | リスク1番目 | 3.34% | 0.414 |
楽ラップ | やや積極型 | 2.78% | 0.270 |
楽ラップ | DRC 積極型 |
2.48% | 0.214 |
楽ラップ | DRC やや積極型 |
1.61% | 0.168 |
楽ラップ | やや保守型 | 1.36% | 0.160 |
楽ラップ | DRC やや保守型 |
0.40% | 0.051 |
楽ラップ | 保守型 | -0.18% | -0.027 |
出典:金融庁
「FOLIOのROBOPRO」はサービス開始が2020年1月15日のため、計測期間の3年は2020年1月15日から2022年末までの約3年間で計算されています。
「THEO」は228通りのコースのうち、5年リスクの小さい順に「1・58・115・172・228」番目のコースを抽出されています。
「楽ラップ」のDRCとは、Downside Risk Controlの略称で、下落ショック軽減機能のことです。
年率リターン・シャープレシオともにROBOPROが1位となっています。
シャープレシオとは、運用の効率性を表す指標のことです。無リスク資産のリターンはゼロと仮定すると「年率リターン÷年率リスク」で計算されます。
手数料・NISAで徹底比較
この章では、金融庁が公表した運用実績ランキングに掲載されていないものも含めて、主なロボアドバイザーを紹介します。
以下の表は、主なロボアドバイザーについて、手数料・ファンド費用を一覧で比較したものです。NISAに対応しているロボアドバイザーには、アイコンを表示しています。
ロボアド名 | 手数料(税込) | ファンド費用 |
---|---|---|
新NISA対応 ウェルスナビ |
年率1.1%※1 | 年率0.08 ~0.13% |
新NISA対応 SUSTEN |
なし | 年率0.08 ~0.3% |
ROBOPRO | 年率1.1%※1 | 非表示 |
Wealth Wing | 年率0.99% +月額330円 +売却額の1% |
なし |
ロボアド名 | 手数料(税込) | ファンド費用 |
THEO | 年率1.1%※1 | 非表示 |
投信工房 | なし | 年率0.35% (最大) |
SBIラップ | 年率0.66% | 年率0.292% 程度 |
楽ラップ | 【固定報酬型】 年率0.715% |
年率0.2702% (最大) |
【成果報酬併用型】 年率0.605%(最大) +成果報酬※2 |
※1)3,000万円を超える部分は年率0.55%(税込)
※2)運用益の5.5%
それぞれ詳しく紹介していきます。
ウェルスナビ
手数料(税込) | 年率1.1%※ |
---|---|
最低投資額 | 1万円 |
投資対象 | ETF |
NISAへの対応 | 新NISA対応 |
※3,000万円を超える部分は年率0.55%(税込)
ウェルスナビ(WealthNavi)は、預かり資産・運用者数ともにNo.1※のロボアドバイザーです。分散投資でリスクを抑えながら、中長期的に資産を増やすことを目指します。
※一般社団法人日本投資顧問業協会「契約資産状況(最新版)(2024年3月末現在)『ラップ業務』『投資一任業』」を基にネット専業業者を比較 ウエルスアドバイザー社調べ(2024年6月時点)
「おまかせNISA」というサービスで、2024年からスタートした新NISAに全面的に対応しています。
SUSTEN
手数料(税込) | なし(ファンド費用のみ) |
最低投資額 | 1万円 |
投資対象 | 専用投資信託 |
NISAへの対応 | 新NISA対応 |
SUSTEN(サステン)は、運用会社が提供する直販型運用のロボアドバイザーです。ファンド費用は0.08~0.3%で、投資一任にかかる手数料はありません。さらに、NISA口座では1年以上出金がない場合、最大年率0.1%キャッシュバックされます。
2024年から始まった新NISAも対応しています。NISAの投資限度額を有効利用できる「節枠機能」が提供されており、実質的にNISAの枠を拡大されられる効果が得られます。
ROBOPRO
手数料(税込) | 年率1.1%※ |
最低投資額 | 10万円 |
投資対象 | ETF |
NISAへの対応 | - |
※3,000万円を超える部分は年率0.55%(税込)
FOLIOのROBOPRO(ロボプロ)は、AI予測によりリスク・景気循環・金融環境の変化を先読みし、さまざまな相場に対応することで、効率的なパフォーマンスの獲得を追求するロボアドバイザーです。
2023年4月21日に金融庁が公表したロボアドバイザーの運用実績ランキングでは、年率リターン・シャープレシオともにNo.1となっています。
Wealth Wing
手数料(税込) | 年率0.99% +月額330円 +売却額の1% |
最低投資額 | 15万円 |
投資対象 | 日本株(個別銘柄) |
NISAへの対応 | - |
Wealth Wing(ウェルスウイング)は、日本株のみで高いリターンを目指すロボアドバイザーです。
国内現物株式で運用されるため、優待条件を満たしていれば株主優待を受け取れます。また、1株以上保有していれば配当金も受け取れます。
THEO
手数料(税込) | 年率1.1%※ |
最低投資額 | 10万円 |
投資対象 | ETF |
NISAへの対応 | - |
※3,000万円を超える部分は年率0.55%(税込)
THEO(テオ)は、投資のプロが設計したアルゴリズム・下落リスクの低減を図るAIにより運用されるロボアドバイザーです。投資対象を世界規模で分散させる「国際分散投資」を行い、安定した運用を図ります。
THEOでは「ESG投資」を気軽にはじめることもできます。ESG投資とは、環境・社会・企業統治への取り組みに対する評価軸で企業を選ぶ投資のことです。
投信工房
手数料(税込) | なし(ファンド費用のみ) |
最低投資額 | 100円 |
投資対象 | 投資信託 |
NISAへの対応 | - |
投信工房は、最大0.35%の低コストのモデルポートフォリオの提案を受けられる松井証券のロボアドバイザーです。ロボアド利用料、投資信託の購入時手数料は無料です。
目標とするポートフォリオさえ設定すれば、あらかじめ指定した日にリバランスを行う「自動リバランス」や、リバランスしながら積立投資できる「リバランス積立」を活用することで、手間なく運用できます。
SBIラップ
手数料(税込) | 年率0.66% |
最低投資額 | 1万円 |
投資対象 | 専用投資信託 |
NISAへの対応 | - |
SBIラップは、「AI投資コース」と「匠の運用コース」から運用戦略を選択できるSBI証券のロボアドバイザーです。2つのコースを併せ持つこともできます。
月間の平均運用資産額に応じて年間0.1~0.2%相当のポイントが貯まります。貯まるポイントは「Vポイント」、「Pontaポイント」、「dポイント」、「PayPayポイント」、「JALのマイル」から選べます。
楽ラップ
手数料(税込) | 【固定報酬型】 年率0.715% |
【成果報酬併用型】 年率0.605%(最大) +成果報酬※3 |
|
最低投資額 | 1万円 |
投資対象 | 専用投資信託 |
NISAへの対応 | - |
楽ラップは、2分程度で運用コースの提案を受けられ、代わりに投資を行ってもらえる楽天証券のロボアドバイザーです。
楽ラップには、下落ショック軽減機能(DRC機能)の付いた運用コースがあります。DRC機能付きのコースでは、株式市場の値動きが大きい状況が続いた場合に、債券の配分を自動で増やすことで、資産全体のリスク軽減を図ります。
ロボアドバイザーを利用する場合は、手数料に見合う運用実績が期待できるサービスなのか十分検討することをおすすめします。2023年4月21日に金融庁が公表したロボアドバイザーの運用実績ランキングでは、年率リターン・シャープレシオともにROBOPROが1位となっています。
ROBOPROの公式サイト
この記事の執筆者
やさしい投資信託のはじめ方編集部
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