松井証券さん取材レポートその1~投信取り扱い開始の経緯と『投信工房』の紹介
2016年11月末より、投資信託の取り扱いをスタートした松井証券さんに訪問する機会を持つことができました!今回は、投資信託の取り扱いについてくわしく話を聞くことができましたので、その内容をまとめてお伝えします。
松井証券が投資信託の取り扱いを開始した理由
——どのような経緯で投資信託を取り扱うことになったのでしょうか?
松井証券:佐々木様
当社は、90年代末に投信ビジネスから撤退して以降、長らく投資信託を取扱ってきませんでした。撤退の理由は、当時、販売額の 2~3%もしていた投資信託の販売手数料を、個人が低コストで資産運用を行えるようにすることを目的として一律1%に引き下げる方針を発表したところ、全ての投信運用会社から商品供給が停止してしまったことにあります。それ以降、再参入のタイミングを探っていました。
最近では、運用会社がインデックス型の投資信託を中心に信託報酬を引き下げる動きが相次いでおり、低コストで資産運用を行える環境が整いつつあります。また、金融庁が顧客本位の業務運営を求める動きを強めていることなど、投信販売を取り巻く状況は変化してきています。当社は、そうした変化を踏まえ、投資信託の取扱開始とポートフォリオ提案サービス『投信工房』の導入を決定しました。
▼松井証券の新サービス『投信工房』
株式取引とは異なり、投資信託は購入に際しアドバイスを必要とする方が多いと思います。しかし、一方で、アドバイスに係る営業員の人件費は手数料という形で投資家が負担していますし、また、営業員を介するゆえのわずらわしさも存在します。
投信工房では、このような問題から解放するため、昨今普及が進んでいるロボアドバイザーを活用しています。
90年代末から、手数料の引き下げを試みていたというのは知りませんでした!今の投資信託を取り巻く環境は、松井証券さんが理想としていたものに、やっと時代が追いついたという感じですね。
そしてこの度、投資信託を販売すると同時に、資産配分(ポートフォリオ)の提案をしてもらえるロボアドバイザー『投信工房』を提供されるとのこと。投信工房について、もう少しくわしくうかがってみます。
ポートフォリオ提案サービス『投信工房』の特徴
——ロボアドバイザーによるポートフォリオ提案サービス『投信工房』の提供を開始されるそうですが、こちらの特徴、魅力などを教えてください。
松井証券:佐々木様
当社の『投信工房』は、最近話題になっているファンドラップ(投資するファンドの選定から運用までおまかせできるサービス)に対抗するサービスであり、投資信託による長期的な資産運用をサポートします。
販売手数料が無料で信託報酬が低い銘柄を取扱い投資信託(全90銘柄)に選定したことから、信託報酬に加えて資産運用にかかる手数料が発生するファンドラップと比較して大幅に低いコスト水準を実現しました。
▼コストが運用に与える影響
——具体的にはどのようなサービスで、どんなユーザーに利用してもらうことを想定されていますか?
松井証券:佐々木様
お客様がインターネット上で答えた8つの質問から、リスク許容度(損失の発生を受け入れられる度合い)を測り、ロボがお客様にぴったりの投資スタイルとポートフォリオを提案します。
提案するポートフォリオは低コストを徹底し、ノーロード投資信託かつ信託報酬が低い「低コストインデックスファンド」のみを組み入れています。投資初心者の方でも簡単に、低コストで「国際分散投資」をすることができます。
▼投信工房の利用画面
▼わずかな手間でポートフォリオ提案が受けられます
モデルポートフォリオ(※)を参考に、お客様は運用目標とするポートフォリオを決定します。「ポートフォリオ一括購入」や「リバランス積立(※特許出願中)」などの機能でお客様の投資スタイルに合わせた資産運用がカンタンな操作で開始できます。
※松井証券の『投信工房』では、お客様へ提案するポートフォリオをモデルポートフォリオと呼びます。
また、金融リテラシーの高い方にもご利用いただけるように、個々の資産状況等に応じてポートフォリオを調整できるカスタマイズ機能もご用意しています。投資初心者の方からベテランの方まで、幅広くご利用いただけるサービスとなっています。
松井証券で取り扱われる投資信託は「低コストインデックスファンド」ということで、どんな商品が入っているか確認したところ、i-mizuho(アイミズホ)、SMT(スマート) ・eMAXIS(イーマクシス)・ニッセイ<購入・換金手数料なし>・たわらノーロードなど、信託報酬の低さを特徴としたものばかりでした。
また、上記のモデルポートフォリオの資産配分は自由に増減ができるので、初心者の方だけでなく、経験者の方でも使えるサービスだと感じました。投信工房を使ってみると、松井証券さんの投資信託への本気度が伝わってきます。
次のページでは、他のロボアドバイザーにはない、投信工房ならではの特徴をうかがいます。