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FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスとは【MSCIと比較】

バンガード・トータル・ワールド・ストックetfのチャート

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(FTSE Global All Cap Index)は、全世界の株価動向を表す指数です。楽天・全世界株式インデックス・ファンドSBI・V・全世界株式インデックス・ファンドの連動対象として関心を持つ人が多くなっています。

このページでは「指数の概要」、「類似指数との比較」などをわかりやすく解説しています。

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスとは

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは、先進国から新興国まで全世界の株式市場の動きを表している株価指数です。大型株から小型株まで網羅していて、約9,000銘柄もの株式から構成されています。

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動するインデックスファンドに投資すると、世界中の株式にまるごと投資するのと同じような運用成績を得られます。この指数を連動対象とするETF「VT」の国・地域別の構成比は以下のとおりです。

<国・地域別の構成比(上位10)>
順位 国・地域 構成比
1 アメリカ 61.96%
2 日本 5.70%
3 イギリス 3.24%
4 中国 2.77%
5 カナダ 2.74%
6 スイス 2.35%
7 インド 2.35%
8 台湾 2.10%
9 フランス 2.00%
10 ドイツ 1.85%

(2024年10月31日時点)

このように、半分以上がアメリカから構成されています。次に、具体的な構成銘柄を見ていきましょう。上位10銘柄は以下のとおりです。

<構成銘柄(上位10)>
順位 銘柄名 国・地域 組入比率
1 アップル アメリカ 3.83%
2 エヌビディア アメリカ 3.62%
3 マイクロソフト アメリカ 3.52%
4 アルファベット
(Google)
アメリカ 2.16%
5 アマゾン・ドット・コム アメリカ 2.02%
6 メタ・プラットフォームズ アメリカ 1.45%
7 バークシャー・ハサウェイ アメリカ 0.96%
8 台湾積体電路製造
(TSMC)
台湾 0.90%
9 ブロードコム アメリカ 0.90%
10 テスラ アメリカ 0.81%

(2024年10月31日時点)

銘柄単位で見ても、アメリカの会社を中心に構成されていることがよくわかります。また、会社の規模が大きい台湾の銘柄がランクインしているのも特徴的です。

MSCI ACWIとの比較

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスと同じような全世界株価指数に、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)があります。eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の連動対象として知られている指数です。

2つの指数の最大の違いは、構成銘柄に小型株が含まれているかどうかです。

<【全世界株価指数】FTSEとMSCIの比較>
指数 小型株 構成銘柄数
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス 含む 約9,000
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス 含まない 約3,000

高い分散効果

小型株を含まないMSCIの指数が約3,000銘柄であるのに対して、小型株を含むFTSEの指数は約9,000銘柄となっています。よって、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動するインデックスファンドに投資したほうが、より高い分散効果を期待できます。

二重のコスト

ただし、構成銘柄が多ければ多いほど、そのぶん指数への連動は難しくなります。ですので、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスを連動対象とする日本国内の投資信託は、ファンドが株に直接投資するのではなく、海外ETFを介して間接的に投資しています。

海外ETFには経費率という形でコストがかかるため、投資信託にかかる信託報酬と合わせて、二重のコストを負担しなければならないことは理解しておきましょう。

たとえば、楽天・全世界株式インデックス・ファンドの場合、投資信託にかかる信託報酬0.132%に加えて、海外ETFにかかる経費率0.06%程度があるので、実質的な負担は合計0.192%程度となります。

連動対象としている投資信託

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスを連動対象とするインデックスファンドには、以下の3銘柄があります。

<全世界株式インデックスファンドの比較>
銘柄名
/信託報酬
投資対象
楽天・全世界株式インデックス・ファンド
/0.192%程度
  • バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
  • バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
  • バンガード・トータル・インターナショナル・ストックETF(VXUS)
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド
/0.1338%程度

バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)

SBI・全世界株式インデックス・ファンド
/0.1022%程度
  • バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
  • SPDRポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国)ETF(SPDW)
  • SPDRポートフォリオ・エマージングマーケッツETF(SPEM)

※投資対象とするETFのコストを含めた実質的な負担

楽天・全世界株式インデックス・ファンド

インデックスファンドの世界シェアNO.1であるバンガード社が運用するETF「VT」を主な投資対象としていることが特長です。なお「VTI」や「VXUS」も投資対象としています。信託報酬は0.192%程度と少し割高となっています。

SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド

楽天・全世界株式インデックス・ファンドと同じく、「VT」を投資対象としている投資信託です。信託報酬は0.1338%程度と楽天よりも低く設定されています。

SBI・全世界株式インデックス・ファンド

信託報酬が0.1022%程度であり業界最低水準となっていることが特長です。

注意すべき点は、FTSE社ではなくS&Pダウジョーンズ・インディシーズ社が算出している指数に連動する海外ETFを、投資対象に含めていることです。

連動対象とは異なる指数に連動するETFを使って運用しているため、「指数への連動を目標としているインデックスファンドの運用方法としていかがなものか?」という懸念があります。

連動対象としているETF

2022年2月25日付で「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」の経費率が「0.08%」から「0.07%」に引き下げられました!

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスを連動対象とする海外ETFに、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)があります。先に少し紹介しましたが、このETFこそが、楽天・全世界株式インデックス・ファンドなどの投資対象です。

世界最大級の運用会社であるバンガード社が運用しているETFで、投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Yearでも全15回中13回もトップ10入りするなど根強い人気で、多くの投資家たちから支持されています。

楽天・全世界株式インデックス・ファンドではなく、VTに直接投資すれば、経費率0.07%と凄まじい低コストで、全世界の株式へ分散投資できます。

おすすめの証券会社

VTのような海外ETFに投資するなら、SBI証券がおすすめです。海外ETFを自動買付できたり、貸株できたりと、SBI証券独自のサービスを使えます。定期買付サービスでの買い方、貸株のやり方などは以下のページをご覧ください。

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FTSE社とは【主な指数一覧】

FTSE社は、指数の算出を専門に行い、金融データの提供をしているイギリスの会社です。読み方は「エフティーエスイー」もしくは「フッツィー」です。

FTSE社が算出している代表的な指数には、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスのほかに以下のようなものがあります。

<FTSE社が算出する主な指数一覧>
指数 解説
FTSE100 イギリスの代表的な株価指数です。ロンドン証券取引所に上場されている銘柄の中で、規模が大きい100社から構成されています。
FTSE世界国債インデックス eMAXIS Slim 先進国債券インデックスの連動対象など、先進国債券の代表的な指数として使われています。
FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックス SBI・先進国株式インデックス・ファンドの連動対象です。
FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス 楽天・新興国株式インデックス・ファンドの連動対象です。中国A株とは、通常は中国の国内投資家しか取引できない中国株のことです。

また、FTSE社は、韓国を先進国として定義していることが特徴的です。FTSE社と同じように指数を算出しているMSCI社は、韓国を新興国として定義しています。

たとえば、MSCI社の指数に連動する「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」と、FTSE社の指数に連動する「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」に投資した場合、韓国が投資先から漏れてしまうので注意しましょう。

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは、全世界の大型株から小型株までを網羅している株価指数です。連動する銘柄には、SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)があります。

この記事の執筆者

やさしい投資信託のはじめ方編集部

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