【徹底比較】楽天VTI・eMAXIS Slim(S&P500・全世界株式)どれがいい?
お笑いタレントとしても有名な厚切りジェイソンさんが推奨している影響で「楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)」が注目されています。楽天VTIは、低コストで米国株に分散投資できるおすすめのインデックスファンドです。
ただ、他にも優秀なインデックスファンドが数多く存在しているため、銘柄選びに悩んでいる投資初心者の方が多いようです。特に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と迷っているとの声を聞きます。
そこで、このページでは楽天VTIとeMAXIS Slimの2銘柄をそれぞれ比較しながら解説していきます。
このページのもくじ
【結論】どれがおすすめ?
まず結論から申し上げると、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が最もおすすめです。
インデックスファンドの強みとして「手軽に分散投資できる」ということがあります。そして、この強みを最大限に活かすのであれば、全世界への投資が王道と言えます。よって、当サイトでは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」をイチオシ銘柄として紹介しています。
しかし、最も大切なことは、ご自身が納得して投資できるかどうかです。信じて託せると思った銘柄に投資するのが一番良いでしょう。このページの比較解説を参考に、ご自身の考えにあった銘柄を選んでみてください!
楽天VTIとeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の比較
連動対象・実質コストなど
比較項目 | 楽天VTI | eMAXIS Slim 米国株式 (S&P500) |
---|---|---|
連動対象 | CRSP USトータル・マーケット・インデックス | S&P500指数 |
銘柄数 | 3,674 | 503 |
投資対象 (分類) |
大型株・中型株 ・小型株 |
大型株 |
信託報酬 | 0.162% | 0.09372% |
実質コスト | 0.186% | 0.10472% |
純資産 総額 |
1兆6,457億円 | 5兆4,598億円 |
銘柄数は、2024年7月末時点
実質コストは、最新の運用報告書より算出
純資産総額は、2024年10月現在
楽天VTIとeMAXIS Slim 米国株式(S&P500) は、どちらも米国株式に投資するインデックスファンドです。2銘柄とも純資産総額が大きく、継続的な資金流入もあり、おすすめの投資信託です。
投資対象が広い「楽天VTI」
楽天VTIは約4,000銘柄を組み入れており、大型株だけでなく中型株・小型株までカバーしています。対して、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、約500銘柄の大型株を投資対象としています。
より広範囲の米国株に投資したい場合は、楽天VTIがおすすめです。
低コストの「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
信託報酬や実質コストでは、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に軍配が上がります。
実質コストとは、「信託報酬」に、監査費用や売買委託手数料といった「隠れコスト」と呼ばれる費用を加算した数値のことです。
また、S&P500指数は、厳格な条件を満たした銘柄のみで構成されています。その条件には「時価総額が一定以上であること」や「四半期連続で黒字利益を維持していること」などがあります。
低コストであることを重視する方や、厳選された銘柄に投資したい方には、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)をおすすめします。
両方買うのはアリ?楽天VTIだけでいい?
楽天VTIとeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を両方買うと、その資産配分は大型株の比重を大きくした全米株式となります。
ただ、楽天VTIに投資すればeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の組み入れ銘柄もカバーできていることになるため、「楽天VTIだけに投資すれば問題ない」とも考えられます。
両方買うのもアリですし、楽天VTIだけでも問題ありません。ご自身が納得のいくように投資すると良いでしょう。
楽天VTIとeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の比較
連動対象・実質コストなど
比較項目 | 楽天VTI | eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) |
---|---|---|
連動対象 | CRSP USトータル・マーケット・インデックス | MSCI オール・カントリー ・ワールド・インデックス |
投資対象 (国・地域) |
1か国 (アメリカのみ) |
47か国 |
信託報酬 | 0.162% | 0.05775% |
実質コスト | 0.186% | 0.11275% |
純資産 総額 |
1兆6,457億円 | 4兆3,522億円 |
投資対象(国・地域)は、2024年3月末時点
実質コストは、最新の運用報告書より算出
純資産総額は、2024年10月現在
楽天VTIは、アメリカだけを投資対象としています。一方、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、ヨーロッパ諸国やアジア新興国なども投資対象としています。
全米株式と全世界株式はどっちがいい?
アメリカだけに投資したいのであれば「楽天VTI」、特にこだわりがなければ「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」がおすすめです。
全米株式を選ぶメリット
メリットの1つとして、ノイズになるような国へ投資しなくて済むことがあります。
新興国の中には、他国への軍事侵攻により金融制裁を受け、流動性に問題が生じ指数から除外されるような国が出てくることもあります。アメリカだけに投資していれば、このような国に投資することを回避できます。
全世界株式を選ぶメリット
この上なく分散された株式投資を実現できることがメリットです。
これから最も良い投資成果を上げるのはどの国なのか誰にも分かりません。予測不可能であるなら、全世界に投資しておくのが無難です。アメリカだけに投資対象を限定してしまうと、成長著しい新興国から得られる投資成果を逃してしまうことになりかねません。
楽天VTIの信託報酬引き下げについて
楽天VTIについて、楽天投信投資顧問が自ら信託報酬の引き下げを行う可能性はほとんどないでしょう。
楽天+シリーズやeMAXIS Slimシリーズなどは、過去に信託報酬の引き下げを行ってきた実績があります。しかし、楽天VTIを含む楽天インデックス・シリーズには、引き下げを行われた事例がありません。よって、今後も自ら信託報酬を引き下げる可能性は低いと言えます。
しかし、投資対象としているETFの経費率引き下げによって、実質的な信託報酬の引き下げとなる可能性はあります。
たとえば、2022年2月にバンガード社がVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)の経費率を「0.08%」から「0.07%」に引き下げたことにより、楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)の実質的な信託報酬も「0.212%」から「0.202%」に下がった事例があります。
引き下げ前 | 引き下げ後 | |
---|---|---|
VTの経費率 | 0.08% | 0.07% |
楽天VTの 信託報酬 |
0.132% | 0.132% |
楽天VTの 実質的な信託報酬 |
0.212% | 0.202% |
これと同様に、バンガード社がVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)の経費率引き下げを行うことにより、楽天VTIの実質的な信託報酬が下がることは考えられます。
「楽天VTI」、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、これらはどれもおすすめのインデックスファンドです。ご自身の考えに合っている銘柄を選ぶと良いでしょう。
なお、当サイトでは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」をイチオシとしています。
この記事の執筆者
やさしい投資信託のはじめ方編集部
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