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【ひふみ投信に取材①】最近のひふみの運用成績や組み入れ銘柄について藤野英人氏に聞いてみました!

レオスキャピタルワークス社内での藤野英人氏とにしけい

(左:藤野英人さん 右:にしけい)

アクティブファンドで真っ先に思いつくのは「ひふみプラス」ではないでしょうか。この度ご縁があって、その「ひふみプラス」や「ひふみ投信」などのひふみシリーズを運用するレオス・キャピタルワークスへお邪魔してきました。なんと、レオス・キャピタルワークスの社長である藤野英人さんに直接インタビューできました!

今回のインタビューでは、2025年の世界経済の見通しやひふみ投信の運用成績について答えていただきました。話題の投資信託「ひふみクロスオーバー」についても触れています。

実は藤野さんへの取材は2度目で、前回は2010年に「やさしい株のはじめ方」で取材記事を作成しています。今回のインタビューで、この14年でひふみ投信がどのように進化し続けてきたかを肌で感じられました。

ひふみ投信(公式サイト)

約5分で口座開設の申し込みができます。

ひふみ投信へ取材してきました!(1)|やさしい株のはじめ方ひふみ投信へ取材してきました!(1)|やさしい株のはじめ方

グループサイト

ひふみ投信へ取材してきました!(1)|やさしい株のはじめ方

2010年にひふみ投信へ取材した記事です。

ひふみシリーズについて

レオスキャピタルワークスが提供する「ひふみシリーズ」のバナー画像
出典:レオス・キャピタルワークス

にしけいにしけい

前回、2010年に取材させていただいた時よりも、「ひふみシリーズ」のラインナップが増えたかと思います。改めて「ひふみシリーズ」の商品ラインナップを教えてください!

当社が提供している投資信託は、大きく2つあります。1つは「ひふみベーシックシリーズ」、もう1つは「ひふみproシリーズ」です。

藤野さん

<ひふみベーシックシリーズ>
銘柄名 特徴
ひふみ投信・ひふみプラス 主に日本の成長企業へ投資
ひふみワールド・ひふみワールド+ 主に海外の成長企業へ投資
ひふみらいと 世界の株式と債券に分散投資
<ひふみproシリーズ>
銘柄名 特徴
ひふみマイクロスコープpro 国内の小型株に投資
ひふみクロスオーバーpro 上場企業に加え未上場企業に投資

「ひふみproシリーズ」は従来の投資に飽き足らない人、ワクワクしたい人に向けた商品です。

藤野さん

にしけいにしけい

多種多様なラインナップですね!

当社では、超初心者からベテランまで、さまざまなお客さまのニーズに応えたいという思いから、多種多様な商品を取り扱っています。

藤野さん

背景には、「ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)」という概念が関係しています。2010年に取材していただいたときには、掲げていなかった概念なのですが、かんたんに言うと「金融の魅力を隅々に提供すること」を指します。

藤野さん

多種多様な商品を提供することで、幅広いお客様を対象にし、金融の知識がある人もそうでない人も、金融の恩恵を受ける社会を作りたいと考えています。

藤野さん

にしけいにしけい

初心者からベテランまでさまざまな人が投資できるようラインナップを揃えているのですね!

にしけいにしけい

藤野さんはファンドマネージャーとして、銘柄選定にも深く関わっていると思います。「ひふみシリーズ」に組み入れる銘柄の選定で大切にされていることはありますか?

「成長する企業に投資すること」と「ドキドキしない運用」です。

藤野さん

日本を切り拓いていくことができる、成長志向の高い企業に投資することは昔から意識しています。また、株価の変動幅が小さい投資についても同じく大切にしています。専門的に言うと「シャープレシオが高い投資」です。

藤野さん

実際、過去の運用成績を振り返ると、ずっとシャープレシオが高い特色があります。

藤野さん

※シャープレシオとは、投資のリターンを測る指標のひとつです。シャープレシオが高いほど、リスクに対するリターンが高いと判断します。

最近の運用成績や組み入れ銘柄について

ひふみ投信のイメージ画像

ひふみシリーズの中でも投資家からの評価が高いのは「ひふみ投信」です。中小型株への投資を得意とするファンドの1つで、当サイトの管理人も2010年から積立投資を続けています。

成長株の追い風もあり、ひふみ投信はTOPIXを超える運用成績を継続していました。しかし2021年頃、TOPIXに逆転されてしまいます。市況が変化し続ける中どのような対策をしているのかを含め、最近の運用成績や組み入れ銘柄の比率変動について質問しました。

ひふみ投信は、過去4年間ほどTOPIXに対して負けています。この事実に対して当社は問題意識を持っています。

藤野さん

ひふみ投信の運用成績
出典:ひふみ投信運用レポート

運用成績がTOPIXに負けてしまった理由について、市場では誤解されている方が多くいらっしゃいました。「残高が大きくなったため、大型株を組み入れる必要が出てきた結果、従来の中小型株で運用成績を上げる方法がうまくいかなかった」というものです。

藤野さん

これは事実とは異なります。実際、ひふみ投信のファンドサイズが大きくなっても、中小型株の組み入れ比率は高いままでした。ひふみ投信の運用成績が悪かった本当の理由は、ポートフォリオの多くを占めている中小型株のパフォーマンスが悪かったからです。

藤野さん

にしけいにしけい

2023年10月に、大型割安株の組み入れ比率を引き上げていましたね。

お客様には「TOPIXに負けない運用をしてほしい」というニーズがあります。このニーズにお応えするため、割安な大型株の組み入れ比率を引き上げることにしました。

藤野さん

しかし、私たちは“ひふみらしい運用”をお届けすることも大切にしています。ポートフォリオすべてを大型株にすると、この約束に反してしまうため、成長株の比率も高めに維持していました。

藤野さん

2024年のパフォーマンスを振り返ると、大型株のほうがパフォーマンスがよく、中小型株のパフォーマンスは優れなかったため、ひふみ投信の運用も不調だったと言えます。

藤野さん

にしけいにしけい

大型株の組み入れ比率が上昇したのは、お客様のニーズに応えるためだったのですね。大型株を組み入れる際、どういった観点で銘柄を選定されましたか?

「円安の進行で恩恵を受ける銘柄」や「米国市場での売り上げ構成が高い銘柄」、東証改革で恩恵を受ける「低PBR銘柄」の3つを意識して、銘柄の入れ替えを実施しました。

藤野さん

にしけいにしけい

ひふみらしさを維持しつつ、市況に柔軟に対応した運用をされていることがわかりました!

不調な時はどうすればいい?

暴落時など市場が不調な時に、保有資産が目減りしていくと不安になる人も多いでしょう。2024年8月5日の「令和のブラックマンデー」も記憶に新しいですね。 そのような時は、どうすれば良いのでしょうか?藤野さんが暴落時の重要なポイントを教えてくださいました。

にしけいにしけい

ひふみ投信に投資している人の中にも、投資を怖く感じたり、含み損に意識が向いたりしてしまう人がいるかと思います。大暴落時に、「これは知っておいて欲しい」という点があれば教えてください。

大きく下がったときにパニックにならないことです。下落時に全部売らないように意識するとよいでしょう。「令和のブラックマンデー」の時も、結果として暴落後1~2か月程度で元の水準まで戻りました。あわてずに投資を続けていた人は、大きな損失を抱えることはありませんでした。

藤野さん

投資を続けるために重要なことは「価格の変動に慣れること」です。株価が上がろうが下がろうが、泰然自若としていることが重要となります。

藤野さん

にしけいにしけい

価格の変動に慣れるコツはありますか?

「小さく・ゆっくり・長く」という原則をおすすめしています。「小さく」は、いきなり全財産を投資するのではなく、小額からはじめること、「ゆっくり」は少額を小分けにして投資すること、「長く」とは3~5年程度のスパンで投資することを指します。

藤野さん

この原則に沿って投資していれば、大きく損失を被ることはありません。もちろん、その間に市場は変動しますが、少なくとも人生が壊れるような損失を抱えることはないでしょう。

藤野さん

セミナーを開くと、参加者の方から「藤野さんのセミナーで感動したから、全財産を投資します!」とお話をいただくことがあります。その際には「全財産投資することはやめましょう。せめて10分の1程度の金額からはじめてはどうですか?」とお伝えしています。

藤野さん

「その金額を投資すると考えたときに、手に汗を握るかどうかを考えてください」というお話もしています。手に汗を握るということは、投資をはじめる上でその金額は多すぎるのです。手に汗を握らない金額ではじめることを意識してください。

藤野さん

この記事の執筆者

やさしい投資信託のはじめ方編集部

やさしい投資信託のはじめ方編集部

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