受益者還元型投資信託とは?
投資信託の中には、受益者還元型の投資信託というものがあります。この受益者還元型は通常の投資信託と比較して、どのような違いがあるのでしょうか?
受益者還元型は、運用管理費用(信託報酬)が一部引き下げられます!
受益者還元型投資信託と、通常の投資信託は、運用管理費用(信託報酬)の決まり方が違います。通常であれば、運用管理費用は一定で、変更されることは多くはありません。(ただ、ここ数年は一部のインデックスファンドが、手数料引き下げ競争を繰り広げ、盛んに手数料の引き下げを行うこともありました。)
この受益者還元型投資信託は、投資信託の純資産総額が一定額を超えると、運用管理費用が引き下げられ、運用期間中にかかる費用が低減されます。
受益者還元型の例:ひふみプラス
日本株型のアクティブファンド、ひふみプラスの運用管理費用(信託報酬)は、初期段階では年1.0584%に設定されています。この手数料は、アクティブファンドの中ではだいぶ低めに設定されています。しかし、ひふみプラスは純資産総額が増えることで、手数料の一部が引き下げられます。
純資産総額 500億円未満の部分 |
年1.0584% |
---|---|
純資産総額の 500億円を超える部分 |
年0.9504% |
純資産総額の 1,000億円を超える部分 |
年0.8424% |
このひふみプラスですが、2016年から2017年前半にかけて、純資産総額は800億~900億辺りを推移していましたが、2月にTVで取り上げられたことをきっかけに資産は右肩上がりに増加し、17年4月時点で1,400億を超えています。
受益者還元型の例:eMAXIS
eMAXISは、インデックスファンドシリーズの1つです。全35種それぞれに、段階的な手数料の設定が行われています。下の手数料はeMAXIS TOPIXインデックスの手数料例です。
純資産総額 500億円未満の部分 |
年0.4% |
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純資産総額の 500億円を超える部分 |
年0.38% |
純資産総額の 500億円を超える部分 |
年0.36% |
eMAXISの純資産総額ですが、シリーズ全体では2,400億円もの資産を集めていますが、用意されている商品本数が多いこともあってか、eMAXIS TOPIXインデックスに関しては純資産総額が250億円あまりとなっています。
還元されるか否かは、集まる資金次第
受益者還元型の手数料を設定するということは、運用会社が顧客志向を持っているという姿勢の表れと言えます。ただ、受益者還元型の投資信託といっても、先にも書いた通り、還元されるかどうかは純資産総額の大きさに依存しています。
受益者還元型という部分だけにとらわれずに、『ファンドの純資産が順調に増えているか?』『より優れた手数料を設定する投資信託を選ぶ選択肢はないか?』などといった点もきちんとチェックした上で、投資の判断をしたいところです。
この記事の執筆者
やさしい投資信託のはじめ方編集部
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