【徹底解説】グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンドの評価・評判
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンドは、2,860億円もの資金を集めて設定された話題の投資信託です。ノムラ日本株戦略ファンド、未来の世界(ESG)に次ぐ歴代3位の当初設定額となりました。
(参考:【要注意ファンド】未来の世界(ESG)の組み入れ銘柄と評価)
ただし、多くの資金が集まっているという評判だけを参考にして、投資判断を下すのは良くありません。このページでは、「運用会社の口コミ」から「ファンドの組入銘柄」まで徹底解説しています。
Contents
概要(評価・評判など)
評価・おすすめ度 | ★★☆☆☆(2/5) |
---|---|
販売会社 | みずほ銀行・みずほ証券 |
運用会社 | 日興アセットマネジメント |
ファンド設定日 | 2021年4月26日 |
分類 | 外国株式型アクティブ |
販売手数料 (購入時手数料) |
最大3.3% |
信託報酬 (運用管理費用) |
1.6675% |
信託財産留保額 | なし |
償還日 | 2031年4月18日 |
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンドは、積立投資におすすめできないファンドです。これには、大きく3つ理由があります。
- コストが高すぎる
- 販売会社が限られている
- 償還日が定められている
順番に解説していきます。
(1)コストが高すぎる
投資信託は運用中、信託報酬というコストがかかり、価格から差し引かれていきます。グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンドの信託報酬は「1.6675%」と高く設定されています。
これは、積立投資家から人気のあるeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の信託報酬「0.05775%」の28倍超のコストです。
さらに、グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンドには、購入時に最大3.3%もの手数料がかかってしまうデメリットもあります。
ファンドの運用が上手くいくかどうかは不確実なことですが、信託報酬や販売手数料は確実にリターンを削る要因となります。積立投資では、極力コストの低い投資信託を選ぶのがセオリーです。
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(2)販売会社が限られている
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンドは、販売会社がみずほ銀行とみずほ証券に限られています。投資家から人気のあるネット証券(SBI証券や楽天証券など)では投資できません。
SBI証券や楽天証券では、すべての投資信託が販売手数料無料となっています。しかし、みずほ銀行やみずほ証券では、購入時に販売手数料を支払わなければなりません。
わざわざ販売手数料を払ってまで購入する価値がある投資信託なのか、慎重に考えたほうが良いでしょう。
(3)償還日が定められている
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンドは、2031年4月18日に運用を終えて換金されることが定められているファンドです。長期保有を前提とした投資には向きません。
積立投資は、まさに長期保有を前提とした投資方法です。長い時間をかけてこつこつ資産形成をしていくことになります。よって、償還日が定められておらず、信託期間が無期限となっているファンドが望ましいです。
ARK社とは?【投資家の口コミ】
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンドは、ARK社※からの助言をもとに運用されます。
※アーク・インベストメント・マネジメント・エルエルシー
ARK社とは?
ARK社は、イノベーションに焦点をあてた投資に特化しているアメリカの運用会社です。創業者のキャシー・ウッド氏は「女性版ウォーレン・バフェット」とも称されるほどで、その運用手腕は多くの投資家から注目されています。
例を挙げると、ARK社が運用するETF「アーク・イノベーション・ETF(ARKK)」は、2020年に148%のリターンとなりました。
ただ、ARK社のETFは金融庁に届出されていないため、日本からは投資できません。そのため、ARK社から助言を受ける形で運用されるグローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンドのような投資信託に多くのお金が集まっているのです。
投資家の口コミ
ARK社は投資家からの評判が良いです。しかし、冒頭にも書いたとおり、世間の評判だけを参考にして投資判断を下すのはおすすめしません。
また、積立投資は長い期間をかけて行う投資方法なので、直近の運用成績を見ても意味がありません。過去の実績は未来の成果を保証するものではないのです。
世の中のかしこい投資家は、ARK社をどう見ているでしょうか?
いくつか口コミをご紹介します。
このような冷静な口コミも参考にしてみてください。
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンドの組入銘柄
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンドの組入銘柄は、以下のとおりです。
順位 | 銘柄名 | 主なサービス など |
組入比率 |
---|---|---|---|
1 | テスラ | 電気自動車 | 8.5% |
2 | ブロック | デジタル決済 | 5.5% |
3 | ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ | コミュニケーション ・プラットフォーム |
5.3% |
4 | CRISPRセラピューティクス | ヒト臨床検査 | 4.7% |
5 | ロク | ストリーミング・サービス | 4.3% |
6 | トリンブル | GPS機器の 開発 |
4.2% |
7 | イグザクト・サイエンシズ | がんの 早期発見 |
3.8% |
8 | ユーアイパス | 自動化プラットフォーム | 3.7% |
9 | コインベース・グローバル | 仮想通貨 取引所 |
3.5% |
10 | トゥイリオ | コミュニケーション・プラットフォーム | 2.8% |
(2022年6月30日時点)
組入比率1位のテスラは、電気自動車・自動運転技術において一流の技術を有する会社です。二酸化炭素排出量の削減や、自動車事故率の低下といったイノベーションを期待して組み入れられています。
組入比率2位のブロックは、利便性の高い決済サービスを展開する会社です。金融サービスへの平等な利用機会の提供や、資金移動における不正・汚職などの抑制といったイノベーションが期待されています。
組み入れ上位10銘柄は、「CRISPRセラピューティクス」がスイスの会社で、他9社はすべてアメリカの会社となっています。
基準価格チャート
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンドの基準価格チャートは以下のとおりです。
グロース株からの資金流出、ウクライナ情勢の緊迫化、アメリカの利上げなどの影響で、グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンドの基準価格は伸び悩んでいます。
グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンドは、積立投資に不向きなファンドです。積立投資には、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のような低コストのインデックスファンドをおすすめします。
この記事の執筆者
やさしい投資信託のはじめ方編集部
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