【即確認!】iDeCoの改正(事業主証明など)最新情報まとめ
節税できる年金制度iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)をご存知ですか?このお得な制度がどんどん使いやすくなっています。少子高齢化の対策として、老後への資産形成が後押しされているためです。
しかし、せっかく制度が使いやすくなっても、その情報を知らないと活かせません。このページで、いっしょにiDeCoの最新情報をチェックしていきましょう!
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iDeCo新制度への改正ポイント一覧
2020年8月11日追記
会社員のiDeCoに入る手続きがかんたんになる見込みです。厚生労働省は2022年秋を目安に「事業主証明」の提出を不要とする方針です。事業主証明とは、企業年金の加入状況を確認するための書類です。
まずは、最も新しい情報からチェックしていきます。確定給付企業年金(DB)加入者の拠出上限を月12,000円から月20,000円に引き上げるよう、厚生労働省が検討に入りました。拠出上限とは、積み立てられる最大金額のことです。
たくさん積み立てられるようになれば、節税できる金額も大きくできるのでお得ですね。
次は、すでに改正が決まっていることを見ていきましょう。2020年6月5日に交付された法律により、iDeCoが以下のように改正されます。(施行されるのは2022年から)
- 企業型DCの加入者がiDeCoに入れるようになる
- 加入可能年齢の上限が「60歳」から「65歳」になる
- 受け取り開始年齢の上限が「70歳」から「75歳」になる
かんたんに言ってしまえば「加入できる対象者と期間が広げられた」ということです。詳しくはあとで解説します。
これらの改正ポイントを現在と改正後で比較して、表にまとめてみました。
改正ポイント | 現行制度 | 改正後 |
---|---|---|
事業主証明の提出(検討中) | 必要 | 不要 |
確定給付企業年金加入者の拠出上限(検討中) | 月12,000円 | 月20,000円 |
企業型DCとiDeCoの併用 | 会社の規約で認められている場合のみ | 可能 |
加入可能年齢の上限 | 60歳 | 65歳 |
受け取り開始年齢の上限 | 70歳 | 75歳 |
このように、節税できる年金制度iDeCoはますます使いやすくなります。それでは、改正ポイントをそれぞれ詳しく確認していきましょう。
事業主証明が不要となる
事業主証明は、会社員がiDeCoに入るとき勤務先に発行をお願いしないといけない書類です。これは企業年金の加入状況を確認するためのものですが、勤務先の事務負担を増やしてしまうことになり「iDeCo加入へのハードルを高くしている」との声が上がっていました。
改正後
「事業主証明」の提出が不要となります。
iDeCoに加入するための手続きがかんたんになります。また、加入するとき勤務先の人に気を遣わなくても済むので、気楽に申し込めるようになりますね。
確定給付企業年金加入者の拠出上限が月20,000円になる
確定給付企業年金は、iDeCoと同じ私的年金のひとつです。これに入っている人がiDeCoで積み立てられる金額は、現在、月12,000円までです。
改正後
確定給付企業年金に入っている人の積み立てられる上限が月20,000円になります。
iDeCoでの積み立ては、全額その年の所得から引かれるので、積立額を増やせばその分税金が安くなります。さまざまな条件があるので一概には言えませんが、月12,000円の積み立てを、月20,000円にすれば、単純計算で節税額を約1.6倍に増やせます。
企業型DCの加入者がiDeCoに入れるようになる
iDeCoは「個人型」の確定拠出年金です。私的年金には、「企業型」の確定拠出年金(企業型DC)もあります。企業型DCの加入者は、会社の規約で認められている場合しかiDeCoに入れません。実際は、ほとんど入れないというのが現実です。
改正後
2022年から、企業型DCの加入者は会社の規約に関係なくiDeCoに入れるようになります。
企業型DCは会社が決めた金融機関を使って運用するので、取り扱われている商品に不満のある人もいるようです。そういった人は、自由に金融機関を選べるiDeCoを使えば、投資したい商品に積み立てられます。
品ぞろえが豊富で加入者数No.1のSBI証券や、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)にiDeCoで投資できる唯一の金融機関マネックス証券などが特におすすめです。
マッチング拠出かiDeCoとの併用か
ただし、企業型DCの積み立てを上乗せできるマッチング拠出ができる場合、マッチング拠出を使うか、iDeCoを使うか選ぶことになります。どちらを選ぶべきか迷う人は、とりあえずマッチング拠出にしておくことをおすすめします。
マッチング拠出は、将来受け取ることになる公的年金が減るというデメリットはありますが、節税に加えて社会保険料の負担も減らせるというメリットがあります。また、企業型DCと違って、iDeCoの口座管理手数料は自分で負担しないといけません。こういった理由で、マッチング拠出にしておいたほうが無難なのです。
加入可能年齢の上限が60歳から65歳になる
現在iDeCoで積み立てをできるのは60歳までです。しかし、60歳以降も働いている人にとっては、資産形成できる期間は長くとれたほうが便利ですよね。
改正後
2022年からは、国民年金の被保険者であれば、65歳までiDeCoで積み立てられるようになります。
60歳までで仕事を辞める人は、積み立てをやめて60歳から受け取ることもできます。あくまでも選択肢の幅が広がったということなので、心配しなくても大丈夫です。
受け取り開始年齢の上限が70歳から75歳になる
現在iDeCoの受け取り開始年齢は60歳~70歳です。
改正後
2022年から、iDeCoの受け取り開始年齢は60歳~75歳となります。
運用できる期間がのびて、受け取り方の選択肢が増えます。例えば、75歳から受け取り開始して、受け取り期間を20年にすれば95歳まで運用を続けることもできるのです。
どんどん使いやすくなるiDeCoの最新情報をチェックしてきました。確定給付企業年金や企業型DCに加入している人は、法律が施行される2022年に向けて、少しずつ積立額の見直しをはじめてみてはいかがでしょうか。
「加入可能年齢」や「受け取り開始年齢」などと言われてもピンとこない方も多いかもしれません。しかし、いつまで積み立てを続けるか、いつから受け取るか、など今のうちから考えておくことは、現在の資産配分がほんとうに自分に適した比率になっているか確認できる良いキッカケになるので、おすすめです!
この記事の執筆者
やさしい投資信託のはじめ方編集部
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