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『経済評論家の父から息子への手紙』を読みました。

経済評論家の父から息子への手紙

『経済評論家の父から息子への手紙』を読みました。強く心動かされる書籍でしたので、やさしい投資信託のはじめ方編集部がレビュー記事を投稿します。

なお、本書籍は、著者がご子息へ語りかける手紙のような文体で書かれています。そこで、当ページも日記を書くような文体で書くことにします。

自責の念

いたたまれない気持ちが強く込み上げた。自分はなんて失礼で図々しいことをしてしまったのだ。恥ずかしくて、叫びたくなるような自責の念に駆られ、スマートフォンを握りしめて悩みに悩んだが、やはり消せなかった。

タイムスリップできたら

『経済評論家の父から息子への手紙』は、経済評論家の山崎元さんが大学に合格された息子さんに手紙を送ったことがきっかけとして作られた本だ。タイムスリップして18の頃の自分に届けてあげたいような気もするし、当時の自分に読ませたとしても心に響くことはなかったような気もする。

32歳の私は、読むべきタイミングで読めたのかもしれない。きっと、そう思う。

株式性の報酬を得よ

『経済評論家の父から息子への手紙』には、これからの時代に有利な働き方が書かれている。肝心なことは以下3つだ。

  • 株式性の報酬と上手く関わること
  • 適度なリスクを取ること
  • 他人と同じにならないように工夫すること

起業、ベンチャーへの参加、ストックオプションをくれる会社への転職。これらが具体的な方法だ。

山崎元さんは、大きなアップサイドを狙うための要点について明るく機嫌よく語っている。「ベンチャー企業でストックオプションによる報酬を得ることのダウンサイドは、せいぜい『クビ』になることにとどまる」、「個人が安全に使えるレバレッジとして、現在最も有利なものだろう」と説明している。

私は、これからどのように生きていこうかと考えた。

とてもワクワクしてしまって、A4用紙にアイデアを書き散らかした。
などと、言いたいところだが、実際はスマホのメモ帳アプリにぽつりと覚え書きをした程度である。それでも、もし18の頃の自分に読ませたなら、「どうせ自分なんて」と卑屈なことを言うだけだっただろう。少しは、強くなったものだ。

リスクプレミアムのコレクション

お金の運用について必要な「基本」として、それは「全世界株式のインデックスファンド」に投資することだと語られている。

これは、NISAやiDeCoといった得な制度は最大限に有効活用するといい、という意味である。NISAやiDeCoは「基本」を実行する上でのアレンジに過ぎない、ということだ。

全世界株式のインデックスファンドを「基本」として、個別株でのコアサテライト投資というアレンジを加えるのも良い、などという意味ではない。

人間の判断力などたかがしれている。株式投資の目的は、「リスクプレミアムのコレクション」だ。山崎元さんは、そうおっしゃっている。

株式のリターンは成長からではなく株価形成の過程から生じる、ということだ。あまり書籍の内容を詳しく書きすぎると出版社の方からお叱りいただくかもしれないので、これくらいに留めておく。

私は、全世界株式のインデックスファンドを中心に投資をしている。

世間では「インデックス投資は初心者向け」、「慣れてきたら個別株にも挑戦してみましょう」などと説明されることがある。これは間違っていると思う。

「インデックス投資は再現性が高い」から投資初心者であっても問題ない、という表現が正しいだろう。また、個別株を買いたいなら、すぐにでも買えばいい。今は、ネット証券を中心に、単元未満株など少額から投資できる環境が整っている。

インデックス投資に対して変にマウントをとるのは、やめたほうがいい。「初心者は自らを過信して個別株を買いたがる」、「投資の本質が分かってきたら個別株から卒業しましょう」などと言われたら、気分が悪いでしょう。

私は、個別株やアクティブファンドにも投資をしている。そして、これは教養娯楽として良いものだと思っている。各々が、それぞれの価値観を尊重すれば、お互いに気持ちがいいと思う。

資本主義経済の仕組み

さて、記事を締めるにあたって、この本を象徴する文章を探した。個人的には、次の一節だと思った。

世の中は、リスクを取りたくない人が、リスクを取ってもいいと思う人に利益を提供するようにできている。

「株式性の報酬を得る働き方」にしても「お金の増やし方(運用・投資)」にしても、共通する資本主義経済の仕組みだ。

私のような、どこの馬の骨とも知れない人間の稚拙な文章では、この書籍の魅力を伝えきれていないようにも思うが、もし興味をもってもらえたなら「ぜひ読んでみてください!」と言いたい。

朗らかに語られる文章から、山崎元さんの人生観が垣間見える素敵な本だった。

インデックス投資ナイト

私は山崎元さんに一度だけお会いしたことがある。2023年7月8日、渋谷、東京カルチャーカルチャーにて開催された「インデックス投資ナイト2023」だ。

日本で最も合理的で洗練された投資家であるというプライドを持って、それらしく振る舞って欲しい。

出典:インデックス投資ナイトのスピーチ原稿|Hajime Yamazaki(山崎元)

身が引き締まる思いで彼のスピーチを聴いた。癌を患っていらっしゃることは存じ上げていたため、その話題になった際は、胸がつまる思いで耳を傾けた。

二次会にて、お会いしたかった多くの方々にご挨拶できた。しかし、タイミングがつかめず、山崎元さんとはなかなかお話しすることができなかった。その結果、彼が帰られるタイミングに引き止めてしまうような形となってしまった。そして、私はお酒が入っていたからか、図々しく記念撮影まで頼んでしまった。

できるだけ手短にご挨拶したつもりではあるが、もしお体に負担をかけてしまったようであれば「本当に申し訳ありませんでした」とお伝えしたい。

帰路につき、徐々に酔いがさめるにつれて、いたたまれない気持ちが強く込み上げた。自分はなんて失礼で図々しいことをしてしまったのだ。恥ずかしくて、叫びたくなるような自責の念に駆られ、スマートフォンを握りしめて悩みに悩んだが、やはりその記念写真は消せなかった。満面の笑みで映る自分が許せなかった。

山崎元さんの訃報があった日は、もう謝る機会もないのかと空しく思った。投資の話も競馬の話も、もっとお聞きしたかったと思った。

ただ、『経済評論家の父から息子への手紙』のレビュー記事を書きながら、やはり、あの記念写真は消さなくて良かったと思っている。身勝手かもしれないが、ほんの少しでも山崎元さんと人生を共有できたことが、私はとても嬉しいのだ。

余談になるが、私は「インデックス投資ナイト2023」にてチケットを余分に購入してしまい、一杯3,000円の高コストなハイボールを嗜んでしまった。これも今となっては笑い話になる。サンクコストにこだわっても仕方ない!

著者は当書籍を「明るい人生のマニュアル」として執筆された。暗い印象を残したまま終わらせてしまうのは良くないと思って、蛇足をつけてみた。

あと、一言だけ書きたい。

山崎元さんは、とてもかっこいい人だ。

概要(構成・著者)

おすすめ書籍

<書籍の構成>
第1章 働き方・稼ぎ方
第2章 お金の増やし方と資本主義経済の仕組み
第3章 もう少し話しておきたいこと
終章 小さな幸福論
付記 大人になった息子へ――息子への手紙全文

著者は山崎元さんです。プロフィールは以下のとおりです。

山崎 元(著)

経済評論家。1958年、北海道生まれ。東京大学経済学部を卒業後、三菱商事に入社。野村投信、住友生命、住友信託、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一証券、明治生命、UFJ総研など計12回の転職を経験。コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛けるほか、経済解説や資産運用を中心に、メディア出演、執筆、講演会多数。ズバリ語る辛口の経済解説、マネーコラムで人気を博した。『リスクとリターンで考えると、人生はシンプルになる!』(ダイヤモンド社)、『ほったらかし投資術』、『超簡単お金の運用術』(以上、朝日新聞出版)、『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』(文響社)などベストセラー多数。

出典:(株)Gakken公式ブログ

この記事の執筆者

やさしい投資信託のはじめ方編集部

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