専業主婦がiDeCoを使うと手数料負けになりますか?
お悩み
専業主婦はiDeCoで節税できないと聞きました。だとしたら、手数料負けになる可能性があるのでしょうか?
回答
専業主婦の方がiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)を使う場合、手数料負けする可能性があります。専業主婦の方には所得がなく、掛け金を使っての所得控除ができないためです。しかし、iDeCoは所得控除の他にも「運用益に対する非課税」、「受け取り時の控除」など優遇があります。
ですので、適切に利用すれば、最終的に手数料負けする可能性は少ないでしょう。
iDeCoの手数料は、利用する金融機関によって異なります。最も安い金融機関(SBI証券、マネックス証券、松井証券など)の手数料は月額で171円(年額2,052円)です。この手数料は、制度を使い始めた月から終了までずっとかかり続けます。
また、一律で、加入時に2,829円、60歳以降の積立金の受け取り時に440円も必要です。
手数料負けするかシミュレーション
手数料負けするかどうかは、加入期間や掛け金、投資商品の運用成績などで決まってきます。具体例として、以下のような運用計画でシミュレーションしてみます。
- 運用期間:15年
- 毎月の掛け金:15,000円
- 利回り:年率3%
項目 | iDeCo | 課税口座 | |
---|---|---|---|
手 数 料 |
加入時 | 2,829円 | - |
運用中 | 30,780円※1 | - | |
受取時 | 440円※2 | - | |
納める税金 | 0円※3 | 143,220円 | |
合計支払金額 | 34,049円 | 143,220円 |
※1)手数料最安水準の金融機関を利用した場合
※2)一時金で受け取る場合
※3)最終積立金額の約340万円に対して、控除は600万円
シミュレーションの結果、109,171円お得になりました。
このように、手数料以上のメリットが期待できます。
しかし、以下のようなケースではご心配のとおり、手数料負けする可能性がありますので注意が必要です。
- 運用期間が短い
- 掛け金が極端に少ない
- 運用利回りが足りない
債券型の投資信託、定期預金、保険商品だけでの運用
専業主婦の方がiDeCoで手数料負けにならないためには、十分な運用期間・掛け金を確保し、利回りが期待できる商品を積み立てることが重要となります。